新着情報

2003-02-26 13:55:00

『環境新聞』平成15年(2003年)2月26日(水曜日) あすの環境

全国でバイオマスブームの様相を呈している。確かに、長期的な日本のエネルギー自給率の向上を目指していくとすれば、そのポテンシャルは他の再生可能エネルギーをしのぐものになろう。しかし、現行の法制度の中でバイオマスエネルギーを推進していくことは、事業で採算を採ることが不可能なために、補助金施策などに加えて、エネルギー行政や廃棄物行政における法制度の抜本的改革が必須である。

最近、バイオマスエネルギーを推進しようとしている自治体の相談を受けると、まずバイオマス資源の収集の困難さという壁にぶつかっているところが多い。その一方で、自治体の廃棄物処理事業の今後の計画の中には、バイオマスのことを全く考慮せずに焼却施設の建設を計画していたりする。廃棄物行政全般を、バイオマス資源活用をベースとして見直し、規制緩和や分別回収システムの再構築、処理プラントの見直しなどを行うことで、資源収集の問題も解決の糸口が見えてくる。

また、バイオマス発電の売電価格の安さの問題についても、自営線を使った電力小売供給などが可能になるような電気事業法の規制緩和を実施することで解決し得る。これらの規制緩和は今春スタートする構造改革特区での実現を願いたい。

ただ一つ、今後のバイオマス戦略を構築する際に、その方向性を左右する技術革新を忘れてはならない。それは水素エネルギー社会の進展、すなわち燃料電池の普及と水素発酵など、バイオマスからの水素製造技術、そして水素を高密度で貯蔵し、運搬する技術である。これらは日進月歩で大きな発展を遂げつつある。

水素エネルギーは更なるバイオマス活用の道を拓く鍵となるが、その動向によっては、現状でその地域での最適なバイオマスプラントであっても、将来にも最適であるとは限らなくなる。水素エネルギー社会の動向を見極めた柔軟性のあるバイオマス戦略の策定と抜本的な構造改革こそが望まれよう。


1