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2003-05-21 13:54:00

『環境新聞』平成15年(2003年)5月21日(水曜日) あすの環境

五年前青森の大学に勤務が決まった時、農作物、水産物など世界でも有数の食材がある青森での食事を大変楽しみに思ったことがある。しかし、いざ青森に行ってみると、大間の本マグロを始めとして、青森産の超一級の素材は青森では食べられない。ほとんど築地の市場を経由して東京の高級料理店に行ってしまう。

一方で青森県内の飲食店の大半は、東京や仙台に本社のある食材商社から仕入れていることに気が付いた。それらの大半は輸入物である。地域の環境と経済を両させるには地域でとれたものを高付加価値化して地域で消費する、いわゆる地産地消を進めていくことこそが望まれている。

そのため、様々な地方自治体では地産地消を推進するためのビジョンを打ち出してはいるものの、実際には思うように進んでいないところが多い。地産地消は必要だがそれを唱えているだけではダメだ、実践しないと。私自身そうした思いから昨年地産地消のラーメン店”金太郎”を仙台にオープンさせた。

なぜラーメンなのか。ラーメンは大衆食のため安価で、厳しいコスト競争から地産地消になりにくい。そんなラーメンでモデルを示すことが必要だ、と思ったからだ。麺は南部小麦、スープには酒田飛島のあご焼き干しや陸奥湾ホタテ干し貝柱など、みちのくにある世界随一の素材ばかりを選んで生産者から直接仕入れることでコストを抑えてラーメンに結実させた。こうしたことが支持されたのか全国外食グルメベスト一〇〇のラーメン部門でトップにランクされるに至った。

しかし高度な生産技術を持つ生産者が少なく生産が安定しないと替わりがきかない、生産者が納期を守るなどのビジネスの基本的なルールすら理解していないケースが多いなど、自分で実践してみないと分からない地産地消の問題点が明らかになってきた。今後、これらを地産地消の政策づくりへフィードバックさせていきたい。