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2003-09-20 13:48:00

『毎日新聞』 平成15年(2003年)9月20日

◇「地産地消」モットーに--慶応義塾大大学院助教授・金谷年展さん(41)

今、注目を集めている燃料電池の専門家だ。しかし、技術の研究者ではなく、特許取得の支援、環境エネルギー政策の立案や行政への売り込みを専門としている。

この夏、問題になった電力問題については、「原子力や化石燃料、自然エネルギーのそれぞれと水素が組み合わさることで、最適エネルギー社会が実現する。将来は原子力も有望な水素源」が持論である。

これと並行して、燃料電池を家庭に置き、自宅の電源をまかなうことも重要だ。「燃料電池の実用化は技術的には、もう目前に迫っている」という。

「最近、やっと国も循環型社会に向けて、動き出した」。しかし、持論を唱えているだけでは社会は変わらない。循環型社会を身をもって実践するために、厳選された素材を使ったラーメン屋「金太郎」を仙台と青森に開店させた。

地元で作ったものを地元で消費する「地産地消」がモットーだ。農林水産業を助け、エネルギーやコストの削減になり、「お金や物がその土地で循環する」。

自身も味を研究した。「油と化学調味料がたくさん入っているものがうまいと、みんな思い込んでいる。本当のコクを提供し違いが分かる舌を鍛えてほしい」

素材がいいだけに原価は高いが、薄利多売で商売として成り立つ。農家を何回も訪ねて野菜を出荷してもらったり、経営を勉強したりして、努力も重ねてきた。

「この店が30年先にも繁盛していなければ、この発想の正しさを証明できない。だから、この店を失敗することはできないんだ」

昨年、さらに大衆料理を出す「仙台食堂」を開店させた。こちらも好評だ。今月末には故郷・札幌に「北海道食堂」を開店させる。

どこまで本気か。自分の舌で確かめてほしい。