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2005-01-03 18:30:00

『開発こうほう』 1月号

 

 いよいよ来年、家庭用の燃料電池が発売されます。これもまだ当面、あと2、3年はかなり値段が高い事が予想されますが、とりあえず一般家庭でも1kWクラスの家庭燃料が買えるようになるということで、いよいよ市場投入前夜という段階になってきています。
さて、こういった燃料電池の中でも、当面はインフラが整っている化石燃料系のものから水素を取り出すということですが、やはり将来的にはバイオマス、あるいは水、あるいは日本の場合は複性水素もたくさんあるのですが、こうしたものから水素を取っていく必要があるということで、バイオマスにも大変期待がかかるのです。

 全国のバイオマス技術というものを何十か所か見せてもらいましたが、最近いろいろ革新的な技術も出てきました。その中の一つで、エネルギー利用へ向けての技術としては非常に面白いと思ったのは、この北海道の留萌にすでにできている「マルチコンバージョンシステム」と呼ばれる亜炭化装置です。  家畜糞尿、農業残さ、水産物廃棄物、生ごみ、下水汚泥、プッラスチック、木、そういったものすべてをこのような釜に200℃、20気圧、この20気圧というのっがみそなのですが、入れますとわずか45分で炭化の前段階の粉土のような状態になって出てくるのです。私が行ったときは、魚そのものを入れてましたが、骨も何もすべてこうした状態になって出てきていました。

 このシステムの特徴は、何を入れてもよいということです。これには、20気圧という、亜臨界に近い領域での水蒸気の活性度がかなり影響しているのです。ある程度の水分調整が必要ですが、出てきたときに50%くらいの水分が、1日たつと20%まで減るのです。これはおそらく、この圧力をかけ、この温度でやることで、粒子の形状がかなり乾きやすいものになるからです。実はこれをそのまま、いまの熱分解炉に入れてしまえば、ガズ化して発電もできる。

 燃料電池はまだちょっと値段が高いので、当面はガスエンジンなどを使うにしても、ウエットバイオマスから極めて高い効率でエネルギーを取り出すことが可能になるのです。このシステムのもう一つのメリットは「分散型」に適しているということです。非常にコンパクトな機械でよいのですから、バイオマスかを遠くから大量に回収する必要がない。それから、将来はSOFCなど高効率の燃料電池が実用化されてくれば、ある程度のバイオマス資源、ウェットなものでも、だいたい1日1トン当たり50kWを定格で発電できる、超高効率のバイオマスエネルギー活用の可能性が出てきます。

 また、このシステムのもう一つ大きな特徴は、作られた阿炭化された粉土状の物質が有機肥料としても極めて有望だということが分かってきたとです。それが「マルチコンバーションシステム」といわれる所似です。いずれにせよ今後のバイオマス技術の確信とそれが普及するための法改正など環境整備に期待します。